夏がとにかく好きな私にとって、秋風を感じるとちょっとメランコリックになる。そんな時期を迎えたら野山で気を付けたいことがある。スズメバチ。意外と都市部でもスズメバチは生息している様子だし。今年もすでに何種類かのスズメバチを見つけています。
今年写真に撮ったスズメバチの種類を紹介します。最初はこれ。あれっ?襲われている?
はい、襲われています。クロスズメバチがシオヤアブのオスの餌食になっています。クロスズメバチはスズメバチの仲間でもミツバチより少し大きいくらい。シオヤアブの餌食になることも結構あるみたいです。また攻撃性もさほど高くないとも言われています。信州では蜂の子を食用にする地域もありますね。このクロスズメバチの幼虫です。とはいえスズメバチ。刺されると激痛。場合によっては重症化の可能性もあるようですから刺されないようにするべきです。
一方、シオヤアブ。これは虫界トップレベルのプレデター(肉食系)ですが、人に危害を加えたという話は私は聞いたことがありません。スズメバチではなく、アブです。蠅とか蚊といったグループの昆虫です。
続いてこちら。モンスズメバチです。針葉樹の根元に巣を作っています。モンスズメバチは攻撃性もかなりあるようです。そもそもこのように、巣があるのがわかったら近づかないのが鉄則。ちなみにこの写真は400mmの超望遠レンズで撮影し、拡大処理したものです。十分な距離をとっています。モンスズメバチに特有な要注意点として、夜もかなり活動すると言われていることです。クヌギ、コナラなどの樹液にも集まります。夜の昆虫採集の際には特に気を付けたいところ。
次は、こちら。チャイロスズメバチです。チャイロスズメバチはスズメバチのなかでも珍しいと言われています。こちらは針葉樹の洞に巣を作っています。チャイロスズメバチは他のスズメバチの巣を襲って乗っ取ってしまう。襲った先の女王バチを殺してしまい、しばらく襲った先のスズメバチの働きバチをいわば奴隷にしてしまうという習性があるそうです。チャイロスズメバチに襲われる被害に遭うのは、モンスズメバチの場合が多いそうです。
今年撮った写真ではないですが、チャイロスズメバチはこのようにまさに茶色の蜂です。このチャイロスズメバチの巣はこの場所を管理するNPO団体の方が処置してくれました。チャイロスズメバチは中型のスズメバチですが、攻撃性がかなり高く危険な種類だと言われているようです。続いて、こちらは世界最大級のスズメバチ。そう、オオスズメバチです。毒の強さ、毒液の量、攻撃性、いずれをとっても最強。特にこの巣には絶対に近づきたくない。もちろんこの写真も十分な距離を取っています。
スズメバチ。カブトムシやクワガタムシなど子供に人気な虫たちが集まるところに、集まる昆虫です。人気の虫を集めるためにトラップをしかけると、そこにはスズメバチも来る可能性がかなりあります。特にこれから晩秋にかけてスズメバチの活動が、個体数、活発さともにピークを迎えます。子供たちが刺されたりしないよう、十分な注意が必要です。昆虫採集のためのトラップも、ここで片付けましょう。夏にトラップをしかけたまま放置していませんか。それは雑木林のゴミになります。ゴミは片付けてください!
世の中にはオオスズメバチなんか気にしないというつわものも居るんですね。オオスズメバチとにらみ合っているみたいな小さな虫。ヨツボシオオキスイというコガネムシの仲間。スズメバチは相手にしないみたいです。ヨツボシオオキスイもスズメバチ何吹く風、そんな感じで。もちろん、人はスズメバチとにらみ合ったり絶対にしたくないです。
他に、今年、キイロスズメバチ、コガタスズメバチも確認しています。参考までに今年撮った写真では無いですが。
こちらがキイロスズメバチです。そして、こちらはコガタスズメバチです。キイロスズメバチもコガタスズメバチも共にオオスズメバチよりはかなり小さいですが、やはり厳重に注意するべきスズメバチです。スズメバチではありませんが、アシナガバチも秋はスズメバチ同様注意が必要です。
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