2022年7月18日月曜日

こどもに声をかける(番外編)

 今年も青い蜂が見られる季節に。ルリモンハナバチ。

写真を撮っていると、隣に母親と、7歳くらいかな、お兄ちゃんと、5歳くらいかな、弟ちゃんが来て花を覗き込みはじめた。お兄ちゃんがルリモンハナバチをみつけて、

「あっ蜂・・・、うううん、ちがう蛾か・・・」

と言う。思わずつぶやいてしまうんですよね。結構大きな声で。「惜しい!」って。親子がこっちを見た瞬間にマスク着用。そして、

「これはね、黒いカノコガ(下の写真)のように見えるかもしれないけど・・・」

「実は蜂なんだよ。今撮った写真、見せてあげるね」

「えっ、こんな青い蜂なんだ!」
「綺麗だわねえ。」
「ねえ、ぼくにもみせてよおお!」
「ほら、見える?」
「うん!」

これ、大切だと思うのです。世知辛いご時世だから「見知らぬ人に声をかける」というのはなかなか難しいのだけど、ここは思い切って。

いきなり頭ごなしに「貴重な昆虫が居るんだから採っちゃだめだよ」とか居丈高に言うのに比べて。(まあ、そういう人当たりの人もいる。それは人それぞれだからどうのこうのいう事ではないけど)。居丈高ではなくて、こどもの視線に合わせたやりかたでお話をすると、ついでにすこしほかのお話もできる。たとえば、生態系の話とかちょっと込み入った話もやんわりと。子供たちの虫かごの中を見て。

「あっ、アマガエルも捕まえたんだね。」
「うん!」
「アマガエルさんはね、たくさん増えてしまい過ぎそうな虫さんとかを一生懸命食べてくれる。そうすると、お花とかお米とかが喜ぶんだよ。観察が終わったらもと居たところに放してあげようね。」

(でも今度はカエルさんがたくさん増えてし過ぎると虫さんが居なくなりすぎて、こんどは植物が元気になりすぎて困っちゃうよね。そうすると、カエルさんが大好きなサシバさんとかが喜ぶんだ・・・とかまで展開するかどうかはさておいて)。

とかお話しできるチャンスがあると思う。こういう時はなるべく私はしゃがんで子供が下目線で私を見るように心がける。上からこどもを見下ろすのではなくて。

最近、「Give and Take, 「与える人」こそ成功する時代」という本を読んだ。与えるものを持てる人になりたいし、もしすこしでもこどもに与えられるものがあるのならば、おしげなく与えられる人になりたい、と、常々思う。

おっと、おかあさんの手の上でダンゴムシが遊んでいる。なかなかあっぱれなおかあさん。すてきだった。とくに弟くんの方は小学館の昆虫図鑑を一冊すでにボロボロにしてしまっているそうで。ああ、私と同じだ・・・。この親子にも青い蜂が幸せを運んでくれますように。